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子供用Suica・PASMO 買い方・料金は? オートチャージ・切替方法

交通系ICカードのキャラクターたち(画像:JR東日本)

交通系ICカードのキャラクターたち(画像:JR東日本)

電車に乗るとき、便利な交通系ICカード「Suica」「PASMO」。子供用も購入でき、自動改札機を通過するときは「子供の運賃」が自動的に引き去られます。定期券にすることも可能です。

ただ子供用のSuicaやPASMOは、購入方法が異なり、使用期限が設定されているなど、大人用のSuica、PASMOとは、いろいろ違う点があります。

このページでは、JR東日本の交通系ICカード「Suica」、関東地方の私鉄などが発売する交通系ICカード「PASMO」の子供用について、子鉄の息子がいる鉄道ライターの恵 知仁が、わかりやすく解説します。

恵 知仁
恵 知仁
子供用の交通系ICカードは、必要になってすぐ、どこででも購入できるものではないため、未就学児のうちに作ってしまうのをオススメします。私はJR沿線住みなので、「みどりの窓口」がある駅へ行くとき、ついでに作りました(当時、息子は3歳)。

最初に結論を言えば…

JR東日本をよく使う場合
子供の年齢を確認できる公的証明書(保険証など)と、1000円以上のお金を持って、JR東日本のSuicaエリア内の駅にある「みどりの窓口」「話せる指定席券売機」に行き、子供用Suicaを購入しましょう。
JR東日本以外をよく使う場合
子供の年齢を確認できる公的証明書(保険証など)と、1000円以上のお金を持って、よく使う鉄道事業者の駅に行き、子供用PASMOを購入しましょう。

この結論を書いた理由、具体的な購入方法などについて、このページでは詳しく説明、解説しています。可能性は高くないですが、この結論が当てはまらないこともあり得ますので、ぜひこの先もお読みください

恵 知仁
恵 知仁
2023年8月以降、世界的な半導体不足の影響で多くの種類のSuica、PASMOが発売中止になっていますが、子供用のSuica、PASMOは継続して発売されています。発売中止になっている一般向けのSuica、PASMOは、このままスマホでの利用が基本になる気もしますね……。

SuicaとPASMOの違い

SuicaとPASMOは、それぞれ発行、発売する会社が異なります

Suica
JR東日本、東京モノレール、東京臨海高速鉄道(りんかい線)が発行、発売する交通系ICカード乗車券。
PASMO
株式会社パスモが発行し、おもに関東地方の私鉄、バス事業者が発売する交通系ICカード乗車券。

SuicaもPASMOも、ソニーの非接触型ICカード技術「Felica」のしくみを使っており、機能、使い方は基本的に同じ。いわゆる「交通系ICカード」のひとつで、全国の対応する公共交通機関、店舗などで利用可能です。

恵 知仁
恵 知仁
PASMOで、JR東日本の普通列車グリーン車、新幹線eチケットサービス、山手線に乗るように新幹線に乗れる「タッチでGO! 新幹線」、入場券がわりに使える「タッチでエキナカ」を利用することもできます。

SuicaとPASMO どっちがいい?

SuicaとPASMO、どちらを選ぶとよいのでしょうか。

使い勝手自体は基本的に同じなのですが、特典を考えると違いが出てきます。

Suica・PASMOで違う「特典」

JR東日本では、乗車回数に応じてポイントがたまるサービスを導入していますが、「JRE POINT WEBサイトに登録したSuica」での利用が対象。PASMOは対象外です。

PASMOも同様で、たとえば西武鉄道の乗車回数に応じてポイントがたまるサービスでは、「乗車ポイントキャンペーンにエントリーのうえ、スマイルリンク登録したPASMO」での利用が対象。Suicaは対象外です。

こうしたPASMO利用でのポイントサービスを行っているおもな鉄道事業者は、西武鉄道のほか小田急電鉄、京王電鉄、京急電鉄、相模鉄道、東急電鉄、都営地下鉄、東京メトロ、東武鉄道があります。

恵 知仁
恵 知仁
都区内のJR線普通列車に乗り降り自由の「都区内パス」はSuicaでしか使えないなど、お得な切符の利用でも違いが存在します。ただ基本的に、お得な切符に関しては代わりになる紙の切符も用意されているので、大きなデメリットにはならないでしょう。
「都区内パス」も使える「こども用Suica」

「都区内パス」も使える「こども用Suica」

選ぶポイント

SuicaとPASMO、どちらにするかは、ポイ活でどっちがお得になるかという観点から、「どの鉄道会社をよく利用するか」で選ぶとよいでしょう。

よく利用するのがJR東日本の場合はSuica、小田急電鉄や東急電鉄といったPASMOを発売している鉄道事業者ならPASMO、です。

なお子供用のSuica、PASMOは、子供1人につきどちらか片方を1枚しか購入できないため、注意が必要です。子供用Suica、子供用PASMOの2枚持ちはできません。

この点にも注意

どの交通系ICカードを選ぶかにあたって、次の点も考慮する必要があります。

  • SuicaはJR東日本のSuica、モノレールSuica、りんかいSuicaの3種類がありますが、鉄道の利用でポイント(JRE POINT)がたまるサービスは、JR東日本のSuicaだけが対象です。買い物によるJRE POINTは、どのSuicaでもたまります。
  • PASMOを発売している鉄道事業者のなかには、特にPASMO利用の特典を用意していない鉄道事業者もあります。1番多く利用する鉄道事業者がそうだった場合、2番目に多く利用する鉄道事業者がJR東日本であれば、PASMOではなくSuicaにして、JRE POINTをためたほうがよいかもしれません。
  • 年会費が必要で、制約もありますが、子供用でもオートチャージできるのはPASMOだけです。詳細は後述する「オートチャージできる?」をご覧ください。
  • 交通系ICカードを使った見守りサービスを利用したい場合、JR東日本、東京都交通局、東京メトロの「まもレール」はSuicaとPASMO、どちらでも利用できますが、東急セキュリティの「エキッズ」はPASMOでしか利用できません。

子供用Suica・PASMOの作り方

子供用のSuica、PASMOは、購入時に子供の氏名、生年月日などの登録が必要です。そのため、子供の年齢を確認できる公的証明書(保険証など)を持って、駅で申し込む必要があります。

未就学児でも、子供用のSuica、PASMOを購入可能です(それを使って乗ると子供運賃を引き去り)。

子供本人がそこにいなくても、家族が代理購入することもできます。もちろんその場合も、子供の本人確認ができる公的証明書(保険証など)が必要です。

恵 知仁
恵 知仁
中学生以上(中学校入学年の4月1日以降)は大人料金になるため、子供用のSuica、PASMOは使えません。大人用のSuica、PASMOを利用することになりますが、その大人用Suica、PASMOに通学定期券をのせることは可能です。

発売価格

発売価格は、Suicaだと1000円、2000円、3000円、4000円、5000円、1万円から選択可能。PASMOは1000円以上2万円まで、1000円単位で選択できるようです。

なお、発売価格には預かり金(デポジット)が含まれており、実際に利用できる金額は500円少ない額。預かり金は、カード返却時に戻ってきます。

子供用Suica、PASMO定期券の発売価格は、利用する区間の通学定期運賃に、預かり金500円を追加した金額です。購入時点でのチャージ額は0円なので、必要であればチャージします。

恵 知仁
恵 知仁
クレジットカードでの購入は、Suicaの場合、ビューカードを使うのであれば可能なようです。PASMOは、クレジットカードで購入できません。

子供用Suicaを購入できる場所

鉄道事業者によって異なりますが、子供の年齢を確認できる公的証明書(保険証など)を持参して、駅の窓口で購入する形が基本です。

JR東日本
Suicaエリア内にあるJR東日本の駅の「みどりの窓口」「話せる指定席券売機」、JR東日本の新幹線停車駅にある「みどりの窓口」で購入可能。「話せる指定席券売機」では、オペレーターを呼び出して購入。

「話せる指定席券売機」は、上のリンク先で「『話せる指定席券売機』あり」となっている駅にあります。

東京モノレール
昭和島駅、整備場駅を除く各駅で購入可能。子供用のSuica定期券は、浜松町駅、天空橋駅、羽田空港第1ターミナル駅、羽田空港第2ターミナル駅で購入可能。どちらも、駅係員への申し出が必要。
りんかい線
大崎駅を除く各駅の窓口で購入可能。
JR東日本の駅にある「みどりの窓口」

JR東日本の駅にある「みどりの窓口」

子供用PASMOを購入できる場所

鉄道事業者によって異なりますが、子供の年齢を確認できる公的証明書(保険証など)を持参して、駅の窓口や自動券売機で購入する形が基本です。

小田急電鉄
駅の定期券販売窓口、各駅の定期券発売機能つき自動券売機(駅係員への申し出が必要)で購入可能。
京王電鉄
各駅の窓口などで購入可能。
京急電鉄
駅係員への申し出で購入可能。
京成電鉄
駅窓口で購入可能。
相模鉄道
各駅の自動券売機、定期券発売所で購入可能。
新京成電鉄
各駅の自動券売機で購入可能(遠隔監視システム導入駅では窓口営業時間に限る)。
西武鉄道
各駅で購入可能(駅係員への申し出が必要)。
つくばエクスプレス
各駅の窓口、定期券販売所で購入可能。
東急電鉄
こどもの国線を除く各駅の券売機(駅係員への申し出が必要)、定期券うりばで購入可能。
都営地下鉄
各駅の自動券売機、定期券発売所で購入可能。
東京メトロ
駅事務室、定期券うりばで購入可能。
東武鉄道
各駅、定期券うりばで購入可能(無人駅と相老、赤城、新藤原、寄居駅を除く)。
北総鉄道
各駅の窓口で購入可能。
ゆりかもめ
新橋駅、豊洲駅の定期券発売所で購入可能。
横浜市営地下鉄
各駅の事務室、定期券発売窓口で購入可能。

鉄道事業者によっていろいろありますが、とりあえず、子供の年齢を確認できる公的証明書(保険証など)を持って駅に行き、定期券を買えるタイプの自動券売機(なければ通常の自動券売機)で「小児用PASMOの購入」が選択肢に出てくるか、試してみることをオススメします。

選択肢に出てきたら、指示に従えばよいですし、出てこなかったら、駅係員に聞いてみるのが一番早いでしょう(出てこなかったら、その鉄道事業者は駅係員が対応する販売方法、という感じです)。

小児用PASMO(PASMO公式サイトより引用)

小児用PASMO(PASMO公式サイトより引用)

有効期限と切り替え方法

子供用のSuica、PASMOは、「子供料金で乗れる最後の日」が有効期限。具体的には、小学校卒業年の3月31日までが有効期限です。中学生(大人料金)になる4月1日以降は、使用できません(買い物なども不可)。

何歳から何歳までが子供料金で、何歳からが大人料金なのか、料金計算はどうするのか、詳しくは次のページをご覧ください。

さて、有効期限が切れたあとも引き続き、そのICカードを使用したい場合、乗車時に大人運賃が引き去られる大人用Suica、PASMOへの切り替えが必要です。その際、チャージ残高は引き継がれます。

なお、大人用への切り替えは、有効期限が過ぎたあとに行えます。

子供用Suicaの切り替え

鉄道事業者によって異なりますが、駅の窓口や自動券売機で切り替える形が基本です。

JR東日本
Suicaエリア内にあるJR東日本の駅の「みどりの窓口」「話せる指定席券売機」、多機能券売機で切り替え可能。「話せる指定席券売機」では、オペレーターを呼び出して切り替え。

「話せる指定席券売機」は、上のリンク先で「『話せる指定席券売機』あり」となっている駅にあります。

東京モノレール
浜松町駅の定期券うりば、羽田空港第1ターミナル駅の南口案内所で切り替え可能。
りんかい線
大崎駅を除く各駅の窓口で切り替え可能。
JR東日本の駅にある「話せる指定席券売機」

JR東日本の駅にある「話せる指定席券売機」

子供用PASMOの切り替え

鉄道事業者によって異なりますが、駅の窓口や自動券売機で切り替える形が基本です。

とりあえず駅に行き、定期券を買えるタイプの自動券売機(なければ通常の自動券売機)に有効期限が切れた子供用PASMOを投入し、切り替えできるかどうか試してみることをオススメします。

「大人用に切り替えますか?」と画面に出れば指示に従えばよいですし、ダメだったら駅係員に聞いてみるのが一番早いでしょう(ダメだったら、その鉄道事業者は駅係員が対応する切り替え方法、という感じです)。

オートチャージできる?

チャージ残高が少なくなったら、自動改札機を通過したとき、自動的にチャージしてくれるオートチャージ。

残高不足で自動改札機の扉が閉まり、気まずい思いをしないですむ便利なサービスですが、子供用Suicaでのオートチャージはできません

子供用PASMOはオートチャージ可能。ただ、東急カードの「TOKYU CARD ジュニアオートチャージ」サービスへの申し込み、1320円の年会費が必要です。

年会費は、子供が複数いても1320円だけでOK。東急電鉄以外でも使え、ほかの鉄道事業者のPASMOを使ったポイントサービスに登録もできますが、オートチャージの条件や金額の設定は東急電鉄の自動券売機で行う、といった制約があります。

子供用モバイルSuica・PASMOは?

スマートフォンから手軽に利用できる、モバイルSuicaやモバイルPASMO。その子供用はありません

新宿駅にいるSuicaのペンギン

新宿駅にいるSuicaのペンギン

使用履歴の確認方法は?

子供用Suica、PASMOの使用履歴は、大人用と同様に交通系ICカードのシンボルマークがついた駅の自動券売機などで確認、印字が行えます。

Suicaを発売している鉄道事業者の自動券売機など
最大100件の履歴(直近26週間)を印字可能。
PASMOを発売している鉄道事業者の自動券売機など
直近20件まで履歴を印字可能。ただ窓口に行くと、直近100件まで印字できる場合もあり。

チャージ残高の確認はスマートフォンからも、iPhoneではWalletアプリ、Androidではおサイフケータイアプリなどを使って行えます。

交通系ICカード相互利用のシンボルマーク(画像:JR東日本)

交通系ICカード相互利用のシンボルマーク(画像:JR東日本)

なくした場合 再発行は?

子供用のSuica、PASMOを紛失した場合、再発行が可能です。

Suica、PASMOエリア内のおもな駅、JR東日本の新幹線停車駅の窓口、バス営業所で、Suica、PASMOを紛失したことを申し出ると、紛失再発行の手続きをしてくれます。

そして翌日以降、14日以内に、Suicaを紛失した場合はJR東日本のSuicaエリア、JR東日本の新幹線停車駅にある「みどりの窓口」で、PASMOを紛失した場合はPASMOエリアの駅、バス窓口などで、再発行が可能です。

紛失再発行の手続き、再発行とも、子供の公的証明書(保険証など)が必要です。

チャージ残高は引き継がれますが、再発行には520円の手数料と、新しいカードの預かり金(デポジット500円)を支払う必要があります。

恵 知仁
恵 知仁
引き継がれるチャージ残高は、紛失の申請をして、そのSuica、PASMOの機能が停止された時点でのチャージ残高です。もし紛失したSuica、PASMOが出てきた場合、公的証明書を持って駅に行けば、預かり金500円の払い戻しを受けられます。